Glossary / 遺伝用語
遺伝のきほんと用語集
遺伝の基本ルール
生物は両親からそれぞれ1個ずつ、同じ位置の遺伝子をペアとして受け継ぎます。(このペアの数は種によって異なり、人間の遺伝子のペア(対)の数は、約2万個〜2万3000個といわれています)
ここで特定のペアに注目します。このペアの影響によって見た目が変化することを、表現といいます。
表現に必要な遺伝子の数は、表現によって異なります。
- 劣性(Recessive)
- 2個とも同じ変異でないと見た目に出ない。片方1個だけならHet(保有者)と呼ばれ、見た目はノーマルと同じ
- 優性(Dominant)
- 2個のうちで1個でも変異を持っていれば見た目に出る
- 共優性・不完全優性(Co-dominant)
- 1個でも見た目に出るが、2個(ホモ接合)だとさらに強く表現して別の呼び名(スーパー体)がつく
両親の遺伝子の組み合わせから、生まれてくる子どもが受け継ぐ表現の確率を計算できます。これが遺伝計算(パネットスクエア)の基本の考え方です。
色素・見た目
- アメラニスティックAmelanistic略:アメル(Amel)
- 黒色色素(メラニン)が欠落した状態。一般に「アルビノ」と呼ばれる形質の中でも黒色素の欠失を指すもの。種によって複数の非互換なアメラニスティック遺伝子が存在することがある(例:レオパのTremper/Bell/Rainwater)。
- ハイポメラニスティックHypomelanistic略:ハイポ
- 黒色色素(メラニン)が減少した状態。アメラニスティック(完全に欠失)とは程度が違う。
- アザンティックAxanthic
- 黄色系の色素(キサンチン)が欠落した状態。黄・橙が抜けてグレーや黒中心の発色になる。
- アルビノAlbino
- 黒色色素(メラニン)が作られない形質の総称。目が赤い・ピンクに見えるのが特徴。アメラニスティックとほぼ同義で使われることが多いが、種によって複数系統のアルビノが存在する。
- ハイパーメラニスティックHypermelanistic
- 黒色色素(メラニン)が増加し、全体的に濃い色合いになった状態。ハイポとは逆の方向性。
遺伝形式
- レセッシブRecessive
- 劣性。両親から形質を一つずつ受け継いでホモ接合(2つとも同じ変異)にならない限り見た目に出ない。片方のみ持つ個体はHet(保有者)と呼ばれ、見た目はノーマルと変わらない。
- ドミナントDominant
- 優性。片方の親から受け継ぐだけで見た目に出る。隠れているHetの概念はない(持っていれば必ず見た目に出る)。
- コードミナント(共優性)Co-dominant
- 1コピーでも見た目に出るが、2コピー(ホモ接合)だとさらに強く表現し、別の呼び名(スーパー体)がつくことが多い。Incomplete Dominant(不完全優性)とほぼ同義で使われる。
- ポリジェニック(多因子遺伝)Polygenic
- 単一の遺伝子ではなく、複数の遺伝子や環境要因が重なって現れる形質。選抜交配(ラインブリード)で強めていくもので、パネットスクエアでの確率計算はできない。
- アレル(対立遺伝子)Allele
- 同じ遺伝子座(Locus)にある、異なるバージョンの遺伝子。同じ座に複数の変異アレルが存在する場合、一個体はそのうちどれか1つしか持てない(例:ニシアフのPatternlessとStinger)。
- ローカス(遺伝子座)Locus
- 染色体上でその遺伝子がある「場所・番地」のこと。同じLocusに複数の変異アレル(Allele)が存在する場合、一個体はそのうちどれか1つしか持てない(例:ニシアフのPatternlessとStingerは同一Locus上の別アレルなので、両方を同時にホモ接合で持つことはできない)。
Het関連
- ヘテロ(ヘテロ接合)Het
- 劣性形質の遺伝子を1つのみ保有している状態。見た目には出ないが、子へ伝える可能性がある。
- ポッシブルヘテロPossible Het略:PH
- 血統上のHetである確率(50%と66%が一般的)。交配実績で証明されたわけではなく、親の遺伝型からの推定値。
- プルーヴンヘテロProven Het
- 産子実績で証明済みのHet(100%)。例:ビジュアル個体を産んだ実績があれば、両親は必ずHetだったと証明される。
その他
- ビジュアル(表現)Visual
- 形質が見た目に出ている個体のこと。Het(保有しているが見た目に出ない状態)と対になる語。
- モルフMorph
- 見た目・色合い・模様の総称。単一形質を指すことも、複数形質の組み合わせ(コンボ)を指すこともある。
- コンボ(コンビネーション)Combo
- 複数の単一形質を同時に表現させた個体。市場共通の通称がつけられていることがある(例:RAPTOR)。
- スーパー体Super form
- 共優性・不完全優性形質のホモ接合(2コピー)の呼び名。ヘテロ表現(1コピー)よりも強く表現する。場合によっては致死や健康リスクを伴う。
- ラインブリードLine Bred
- 特定の特徴を強めるために、その特徴を持つ個体同士を世代を重ねて選抜交配する手法。単一遺伝子ではなく、複数の要因が重なって現れるPolygenic形質(TangerineやCarrot Tailなど)は、たいていこのLine Bredによって作られる。遺伝子の有無ではなく「交配手法」を指す語。